認知療法
ストレスがたまって落ち込んでしまうと、ネガティブになりやすく、悲観的に物事を考えてしまいます。「自分はもうダメだ。」「私のことなんか必要にしている人間はいない。」「私には明るい将来なんてない。」と、どんどん自分を追いつめてしまいます。
また、「まわりが悪いから、私は○○ができない。」と、他人のせいにしてしまうことがあります。これらを「認知のゆがみ」と、言います。マイナス傾向になったとき、考え方を少し変えて現実に目を向けてみれば、気持ちがラクになり、もっと自分らしく生きられる可能性が出てきます。
そこで、「認知療法」を使い、考えを変えていくようにします。(人を変えるのではなく、考えを変える)
ただし、この認知療法ですぐに考え方が変わるわけではありません。何度も、何度も繰り返し行うことが必要です。自分を信じて、辛抱強く続けることが大切です。
以下、難しい・・・と思われる方は、「
メンタフダイアリー」

で認知療法を習慣化されると良いかもしれません。メンタフダイアリーでは、他の人の考え方も見ることができるので参考になると思います。
(このページは、PHP研究所発行 水島弘子著 「専門医がやさしく教えるうつ」 創元社発行「こころが晴れるノート」

大野裕著 を参考に書いています。
こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳
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まず下のコラム法の記入例を見てください。(「専門医がやさしく教えるうつ病」P147より)
状況(不快な感情が生じた出来事)
10時ごろ、友達に電話をしたら、忙しいからとすぐに切られてしまった。 |
感情・気分(不安・怒り・憂うつなど/感情の強さ:0〜100%)
@悲しい 90%
A憂うつ 80%
B不安 70%
|
自動思考(そのときに浮かんだ考え/確信度0〜100%)
@友達は私のことを嫌っているのかもしれない 90%
A朝から、電話をして非常識だと思われたに違いない 80% |
別の見方・考え方(自動思考に代わる考え方/確信度0〜100%)
@友達は本当に忙しかったのかもしれない 50%
A10時頃は普通の人は起きている時間だから、非常識とはいえないのではないか 70% |
最終的な感情と考え(感情・気分の強さと自動思考の確信度)
感情・気分 @60% A60% B50%
自動思考 @60% A30% |
この5つのコラムの「状況」「感情・気分」「自動思考」は、自分の「認知のゆがみ」を明らかにするのに役立ちます。そして、「別の考え方・見方」「最終的な感情と考え」で、「認知のゆがみ」を修正するのに役立ちます。

第1コラム 「状況」
ふだんの生活の中で気持ちが落ち込んだときや不安になったとき、いらだちを覚えたときなど、不快な感情を抱いたときの状況を具体的に書きます。
- それはどこで起こったのか
- そこにはなにがあったのか
- そこにはほかにどのような人がいたのか
- そこで何が起こったのか
- 誰がどのようなことを言ったのか
- それはどのような時間的順序で進んでいったか
などを詳しくと書くと良い。

第2コラム 「感情・気分」
ここには、第1コラムの状況で抱いた気分や感情をもらさず書き出します。その際、番号を振りましょう。そして、その感情・気分をパーセンテージで書きます。最も弱い場合を0%、最も強い場合を100%ととして自己評価します。
表現例
憂うつ・不安・怒り・罪悪感・恥・悲しい・困惑・興奮・おびえ・いらだち・心配・誇り・無我夢中・パニック・不満・神経質・うんざり・傷ついた・快い・失望・激怒・怖い・楽しい・愛情・侮辱された・腹が立つ・後ろめたい・恥ずかしい・・・など。

第3コラム 「自動思考」
ここでは、その時の瞬間に思ったこと、つまり、自動思考を記入します。ここでも番号を振りましょう。その際、思ったことを忠実にたどり書き出します。次に、書き出した考えをどの程度確信していたかを、パーセンテージで書きます。
頭に浮かんだものの自分ではまったく信じられない場合は0%、完全に事実と信じられる場合は100%として自己評価します。

第4コラム 「別の考え方・見方」
第3コラムの自動思考とは別の見方・考え方を書き出します。このとき、できるだけ多くの角度から見つめ、より現実的で適応的(*)な考え方を記入します。これらも番号を振りましょう。
そして、考えの確信度をパーセンテージで書きます。考えがマイナス思考のときは、ばかばかしいと思えるものであっても、「別の考え方・見方」を書き出してみてください。なかなか、思いつかないときは、以下の質問を自分に投げかけてみてください。
(*)適応=1・その場の状態、条件によくあてはまること。2・生物が環境に応じて形態や生理的な性質、修正などを長年月の間に適するように変化させる現象。
質問(専門医がやさしく教えるうつ病 P148より)
- そう考える根拠はどこにあるのだろうか。
- 事実と自分の考えを混同していないか。
- もっとほかの事実はないだろうか。
- 常識的に、一般的に考えるとどうなるだろうか。
- あの人だったらどう考えるだろうか。
- 他人が同じ状況に陥っていたら、どうアドバイスするだろうか。
- 結論を出すのを急ぎすぎていないだろうか。
- 考え方が極端ではないだろうか。
- 勝手に決めつけていないだろうか。
- 自分の欠点ばかりを見ていないだろうか。
- 以前の自分はどうだっただろうか。
- だれか助けてくれる人はいないだろうか。
- その問題は本当に自分に責任があるのだろうか。

第5コラム 「最終的な感情と考え」
第1〜第4までのコラムを書き終えたら、第3の「自動思考」と第4の「別の考え方・見方」を比較検討します。
「自動思考」に問題がなかったかをチェックし、「別の見方・考え方」の中から最も現実的で適応的な考えを取り入れるようにします。これによって、ストレスに押しつぶされない柔軟なものの考え方が見つけられるようになるはずです。
この第5コラムには、現在の感情の強さと自動思考の確信度を、それぞれ0〜100%で評価します。
これらのコラムを書き終わっても、気持ちに変化が見られないときは、以下の点を問い直し、もっと信じられる考え方を書き直してみるとよいでしょう。(心が晴れるノート P69より)
- 状況をはっきりと書き出せていますか?
- そのときに感じた気分に気づいていますか?
- 変えようとしている考えは、気分に強く影響している「ホットな」思考に間違いありませんか?
- 「ホットな」自動思考が複数にある場合には、それぞれについての証拠と反証を集めなければ気持ちに変化が現れないことがあります。
- 「新しい考え」は信じられるものですか?
ここでは、「5つのコラム」を使って、認知療法とはどんなものかを簡単に書きましたが、マイナス思考に陥っているときはなかなかポジティブな言葉は出てこないものです。そこで、病院にて認知療法を行うことによって、プラス思考に変えていく手助けをしてもらうことができます。
病院では、週間活動記録表などを用いてもっと具体的に「認知のゆがみ」を治していくところもあります。ただ残念なことに、この「認知療法」が全ての精神科や心療内科では行われていません。そこで、このページで参考にした「心が晴れるノート」などを用い、自分で認知療法を行ってみられることをおすすめします。
この本には、「7つのコラム」を使って、より具体的に「認知のゆがみ」を治していくことができます。問題の明確化解決法などを例をあげて詳しく書かれています。